資産があるほど減らされる!オーストラリアの公的年金

政治・経済
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1豪ドルを100円で記載しています。

生活保護と同類

オーストラリアの年金制度の原資は税金です。生活保護と同じと考えてください。年齢を重ねて働けなくなったお金のない人たちに最低限度の生活をしてもらうためにオーストラリアの年金はあります。

独身は満額で年250万円

具体的には、年金受給資格のある独身は自分が住む持ち家一つと資産が約3140万円以下の場合、年金を満額受け取れます。夫婦の場合は、夫婦が住む家を一つと二人の資産を合わせて約4700万円以下なら、年金を満額もらえます。独身の年金満額は一年で約250万円です。夫婦は一年で約400万円弱です。

資産額に応じて減額

資産が上記の額以上ある場合は減額されます。資産には給与や現金や株式だけでなく居住目的以外の家、そして車や家財道具など、さらには老後のために自ら蓄えた確定拠出年金も含まれます。確定拠出年金は六十才から利用可能です。ですので、例えば一億円以上の資産がある独身のお年寄りには年金は満額支払われません。

資産調査

日本で生活保護をもらい続けるには、働けないこと収入がないことを役所に認めてもらい続ける必要があります。これに似ていて、オーストラリアの公的年金を満額もらい続けるには国が定める基準以下の資産をもち続ける必要があります。

例えば、仕事で収入を得ることになって資産が基準以上になると満額はもらえなくなります。実際に資産調査をどのようにしているのかは定かではありませんが、オーストラリアで働く場合はタックスファイルナンバー(TFN)をオーストラリア国税庁に届け出なければならず、TFNをもつには住居や連絡先が必要ですので、各人を追跡調査をするのはさほど難しいことではないのでしょう。

資産額を減らす策

資産が基準以上ある場合、公的年金を満額もらえる年齢であっても満額もらえません。それに不服な人は、自分の住む家をリフォームなどして、住まいをグレードアップして生活を豊かにして、資産を基準以下に減らすようです。

自分が住む家一つは資産と見なされないからです。もちろん、これは考えるべき策ですが、資産が億単位である人にはおすすめできません。例えば、資産が一億円あれば年利四パーセントで四百万円の収入となり税引き後であっても年金満額受給額よりは多くなると予想されるからです。

離婚が得策か

一年の年金満額は独身は約250万円である一方で、夫婦は約400万円。さらに、資産とみなされない住まいとしての家を、独身なら一人で一つもてるが、夫婦は二人で一つ。そうであるなら、書類上は離婚という形にすればいいのではないか。このように考える人は少なくないようですが、実現は難しいようです。本当に関係は破綻しているのか、行き来はないのかなどを細かく役所の担当者から追及されるようです。

公的年金で経済的自由は難しい

オーストラリアの公的年金受給の年齢は現在六十五才です。たとえば気力体力みなぎってまだまだ元気な六十五才の独身が約3140万円の資産と共に持ち家に住んで一年約250万円の公的年金をもらいながら生活するのは、ちょっと窮屈に感じるかもしれません。上記の通り資産には車も含みます。別荘も含みます。テレビや家具も含みます。

資産の上限は3140万円です。ちょっといい車を買ったら資産が残り2500万円。贅沢な旅行をしたいと思って貯金を切り崩したら資産は残り2000万円。資産が減った分を埋めるために働きなくないが働こう。人生をこれからもっと楽しみたいと思うときに残金を考えて行動しなければならないのは少し残念です。年を重ねると健康の心配も尽きません。大病を患えば高額な医療費が必要にもなります。資産3140万円で足りるのでしょうか。

満額受給はあきらめよう

老後、厳密には六十才以降、に経済的な自由を求めるなら、オーストラリアで公的年金を満額受給することは諦めなければならないでしょう。その代わりに、六十歳まで一生懸命働いて、手に入れたお金はできるだけ多く確定拠出年金(スーパーアニュエーション、略してスーパー)の口座に預けて、プロに長期分散運用投資をしてもらって、資産を増やしましょう。スーパーは六十才から無税で引き出し可能など、節税のためには不可欠です。

利子で生活

その結果として、六十歳までに一億円以上、できれば二億円近くの資産ができあがれば、あとはそれを元に利子で生活していきます。スーパーの運用利率は毎年上下しますが、一年で四パーセントは十分に考えられますので、例えば一億円の年利四パーセントなら、一年に400万円の収入になります。上記の通り引き出しは無税ですので、400万円をそのまま手に入れることができます。一人で一年400万円は公的年金の満額受給額一年約二250万円よりはるかに多いです。また、公的年金受給の基準である資産上限3140万円を気にせずに、働きたいと思えばいつでも好きなだけ経済活動をすることができますので、資産がさらに増えることが予想され、経済的な心配はほとんどなくなるのではないでしょうか。

心身弱ってからの公的年金

利子で生活させてもらった元手のお金は人生の終盤で、サ高住などの終の棲家に使ったり、世界一周旅行に使ったり、世の中のために寄付として使ったり、大病を患えばそのための高額な医療費に使ったりすることができます。資産が約3140万円を下回れば、公的年金の出番です。もう体も自由がきかなくて行動範囲も狭まっているでしょうから、持ち家と資産3140万円と公的年金満額支給で十分生活できるでしょう。

国の世話にならないで自由を謳歌したいならそれだけの金を用意しろ。それができないならある程度の金をやるからそれで我慢しろ。そんなメッセージを感じるオーストラリアの公的年金の仕組みはうまくできているなと思います。

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